ブラザーシスター制度

時代の変化に対応できる人材育成「ブラザーシスター制度」とは

春がきましたねー。止まらないくしゃみ、延々と出続ける鼻水、目のかゆみ……充血。今年も地獄の花粉シーズン到来!!花粉と戦うバヤシです。

さて、今回はブラザーシスター制度についてお話させて頂きたいと思います。
近年人間関係が希薄になり、急激な生活環境の変化による不安や戸惑い、あるいは悩みを誰にも相談できず一人で抱えてしまうことが少なくありません。
組織のフラット化や成果主義の導入という環境変化の中で、新入社員への教育がしっかりとなされない状況も新入社員の早期離職になっています。
新入社員の早期離職が問題になっている現在では、離職防止を対策するため様々な取り組みを行う企業が増えてきています。その中で注目されているのが、新入社員の気持ちを理解しつつ、就業における躓きを解決する方法としてブラザーシスター制度が注目を浴びています。

ブラザーシスター制度とは

ブラザーシスター制度とは、新入社員を先輩社員が兄(ブラザー)、姉(シスター)に見立て指導役として仕事や職場の業務の進め方、仕事に対する心構えを指導するとともに、人間関係や社会生活での不安や心配事を聞いたり、アドバイスを行い教育する制度です。

対象者となる新入社員は新卒の人がほとんどではありますが、社会人経験の浅い社員に対しても教育する制度として設けられています。
通常は新入社員一人に対して一人の先輩社員が付きマンツーマン体制で教育するが、企業によっては複数の社員が付く場合もあります。

ブラザーシスター制度導入のメリット

ブラザーシスター制度のメリットをまとめました。

早期退職者の防止

新入社員一人ひとりに指導役がつくことで、業務指導だけでなく職場の人間関係など様々なアドバイスを行うことでき、新入社員が安心して業務にあたることができます。
悩みを早期解決することで新入社員の仕事への不満が減り、コミュニケーション不足による早期離職などにつながりにくくなります。

指導役(ブラザー・シスター)のマネージメントスキル向上

ブラザー・シスターになる指導役は新入社員の指導方針考える必要があり、教育や指導をすることで問題解決能力などのマネージメントスキルの向上につながります。

人間関係の構築

コミュニケーションを円滑にするためには、社員同士の相互信頼関係が良好に築かれていることが重要です。
ブラザー・シスターが彼らの悩みに「理解」「共感」「寄り添う」ことで密接に関わりあうようになり、ブラザーシスター制度を通じて深い人間関係の構築ができます。

ブラザーシスター制度導入の方法

以下は導入までの方法です

導入目的・目標の決定

ブラザー・シスター制度を何のために導入するのか、その目的はどうすれば果たせるのか判断するKPIを決める必要があります。
例えば、社員の早期離職防止が目的であれば、「新入社員の離職率をKPIにする」といったように、具体的な目標とそれに合わせたKPIを設定します。

※KPI(key performance indicator の略で目的を達成するための過程を計測するための中間目標)

対象者の選定

企業や会社ごとに指導の対象とする社員の範囲は様々ですが、主に入社したばかりの新入社員、入社1年以内の社員など、具体的な対象者を決める必要があります。

ブラザーシスター制度で何をしてもらうのか

ブラザーシスター制度をどれぐらいの期間実施するのか、その期間に指導役はどのようにサポートしてもらうのか、方針を決めておきます。
目標達成するために身につけるスキルやスキル向上のためにどのようにすべきかなど検討が必要ですが、職種ごとに求められることは異なるため、それを踏まえ内容を決めます。

指導役のブラザー・シスターの選定

指導役のブラザー・シスターをどのように決めるのか、慎重に検討する必要があります。
通常業務に加えて指導役としての業務負荷が大きくなるためです。
企業ごとに選定方法は様々ですが、立候補制や面倒見の良い人を抜擢するなど目的に合わせ選定することが重要です。

ブラザーシスター制度の周知

制度を導入する際には、新入社員や指導役を担当する社員だけでなく、会社全体にも周知をする必要があります。
全体に周知することで、指導役や新入社員に対して周囲の社員が協力してもうことが期待できます。実際の取り組みを徹底して共有していくことが大事です。

進捗状況・会社への共有

制度が動き始めたら、新入社員がどのようなスキルを身につけたか定期的に確認して教育目標の達成度を評価します。
目標に達していない場合、新入社員に何を教えればいいのか。彼が苦手としているところはどこなのか。一人前に育てるための課題は何か。対策を考えます。
また、指導役となる社員に対しては、進捗状況をまとめた報告書や面談等から、新入社員とのコミュニケーションなどに問題が起きていないかを人事・教育スタッフが確認することが重要です。

まとめ

ブラザーシスター制度にはいくつかの問題点もあるが、より緊密な人間関係の中で、新入社員の不満を解決して早期離職を防ぐのに効果的です。成長にむけた教育・指導を施すことができ、また、先輩社員の成長につながるという人材育成法でもあります。

制度を導入するにあたっても、ブラザー・シスターに任せ切るのではなく、周りの協力体制も重要となってきます。ブラザー・シスター制度を活用することは、新入社員を育成するだけでなく、企業の今後の成長につながります。

作者情報

私の好きな物は、あれかな…これかな、やっぱりあれでしょうか。
うーん…そうですね、あれです。