公開日2020.11.25
最終更新日2023.07.26
ITパスポート試験はCBT方式(コンピュータを使って受験する試験方式)を採用していて、最寄りのパソコン教室などでほぼ毎日受験できるという手軽な試験です。そして経済産業省が認定する国家資格でもあります。
資格を取得することで単位認定になる学校や報奨金支給制度がある会社もあります。(ITパスポート活用事例参照)
BREEZEグループにも資格取得制度があります。合格した時の合格時受験料の支払いに加え、ITパスポート試験にプラスしてVBAベーシックやCCENTなどの所定の資格を取得すると基本給がアップします!
受験の動機は人それぞれかと思いますが、学校推奨試験であることや研修での学習項目に入っているということでこの試験の存在を知ったという人もいるのではないでしょうか。
この記事は
「受験は推奨されているけれども何からはじめればよいかわからない…」
「合格したいけれど社会人になって資格取得の勉強ってなにしたらいいの?」
と悩んでいる方に向けて
- 資格取得にむけての準備
- 学習をはじめる前にまず行うこと
- 時期ごとの学習方法
- 今後の試験傾向
をお話していきたいと思います。
著者本人は現在の会社へ転職する前はITパスポート試験という存在を知りませんでしたが、学習することで2020年6月に無事合格できました。
その時の経験も踏まえて、次に受験する方たちの力になれるようにこの記事を残したいと思います。
ITパスポート試験はIT業界で仕事をしていく上で必要になってくる基礎的な知識を得ることができます。学校を卒業して業界に初参入する人や転職する方はぜひ受験してみてください!
試験の難易度は初級!
ITパスポート試験の合格率はそこまで低くなく、2022年度の合格率は51.6%と高い数値をマークしています。対策をすれば十分合格できる試験なのです。
情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験の中でも初歩の試験と位置付けられています。
資格取得にむけてまず準備するもの…
最終的な目的はなにか
前のトピックでお話した通り、ITパスポートはしっかり対策をすれば合格可能な試験です。
しかし、ものすごく簡単な試験ではありません。出題範囲が広く覚えるべきことが膨大で、人によりますが1~3ヶ月は学習をする必要があります。
ただ、推奨資格だからという理由だけで長い時間学習するのは難しく、途中で挫折してしまうことも考えられます。
資格取得を考えたら、まずは学習をはじめる前に必ず”最終的な目的設定”をしましょう。
学習には直接関係ないように感じますが、受験へ挑む前の目的設定は最も重要な作業です。
試験を知るきっかけは推奨資格だったからという理由でもよいですが、必ず学習をはじめる前に自分自身の言葉で「なぜ資格取得するのか」「最終的な目的は何か」を洗い出してみましょう。
そうすることで、自分の時間の使い方への優先順位をつけることができます。
誘惑に負けて途中で勉強をやめてしまう。受験日を決められないままずっと勉強し続けてしまう。そうなってしまうことを防ぐ効果があります。
学習をはじめる前に…
試験概要をしっかりチェック
目的を明確にできたら、次は受験する試験の概要をしっかり確認しましょう。ITパスポート試験のHPでは試験に関係する様々な情報を閲覧することができます。
ITパスポート試験の注目するべきポイントは2つ。
- 60%正解すれば合格できる
- 4択の選択問題である
完璧に解答しなくても60%の問題に正解できれば合格することができます。出題範囲が広くてもある程度得意な分野で攻めたり、苦手な問題を捨てたりすることも可能です。
選択問題なので正確に用語の意味を覚えていなくても大丈夫。ふんわりとした暗記でも正解を導き出すことができます。選択肢の中には頻出で出てくる用語も存在するので重点的に学習するのもよいでしょう。
試験概要を調べることで、どのような学習方法を取り入れていけばよいか出題範囲内の知識をどれほど理解すればよいのか明確になります。
信じる学習方法は一つに絞る
情報が溢れかえっている現代社会では、試験一つの情報にしても数多の学習方法が見つかります。参考書を1冊買うのもよいですし、WEB上の記事や動画のみを参考に学習することも間違いではありません。
しかし、色々な学習方法を片っ端から試すことはよいこととは言えません。
一つ一つの学習方法は勉強開始から受験までの一連の流れをまとめているものが多くあります。より効果的に学習できるようにしっかりとまとめているのです。その内容を自分の気に入った部分だけ選び取っても良い結果は望めないと思います。自分に合うと思った学習方法が見つかったら中途半端に実行せず、すべての内容を学習スケジュールに取り入れていきましょう。
学習方法① 受験3ヶ月前~2週間前
ここからは私が実際に合格までに実践した学習方法を紹介したいと思います。
前述した通り、ITパスポート試験は決して難しい試験ではありません。しっかり対策をしてコツコツと学習を進めていけば十分合格できる試験です。
この学習方法が読んでいる方にピッタリ合うかはわかりません。私自身は、中学校の中間・期末試験の範囲での暗記はかなり得意で高得点は狙えるが、広範囲のセンター入試のような形態の試験はボロボロの点数をとるようなタイプです。同じタイプの人であれば今回ご紹介する学習方法が合うかもしれません。
学習方法に関してはしっくり来なければ、自分がよいと思った学習方法を採用してもらう方がよいと思います。情報は鵜呑みにせず、自分に合うか合わないかをよく考えて実行するべきです。
出題範囲の全体像をとらえる
まずは、参考書などでシラバスに沿った試験の出題範囲を確認しましょう。情報セキュリティマネジメント試験や基本情報技術者試験を受ける予定があるのであれば参考書を1冊購入することをおすすめします。今後、学習を進めていく上での目次や辞書のような役割として使えます。難しい用語を調べるときの足掛かりにすることができるからです。インデックスをつけたり余白に情報を書き足したりしてより濃い内容にできることが紙媒体のよいところです。
試験日を決める
ある程度試験範囲を把握することが出来たら、なるべく早い段階で受験申込みをします。試験日を早い段階で決定することで学習スケジュールをうまく設定することができます。過去問題を解答してみて60%正解できるようであれば申し込んでもよいと思います。
関連用語を書き出す
関連用語を覚えることはそのまま点数UPに繋がります。
- 単語を書き出す、横になるべく簡略化した説明文を添える
- アルファベット省略用語を書き出す
長い文章で説明されている用語もありますが、なるべく短い文章で再編集することで覚える情報量も少なくすることが可能です。説明や意味は完璧に暗記しなくても用語の要点や他の用語との関連性が把握できていれば得点を上げることができるでしょう。
模擬試験へ解答する
ただ文章を追うだけでは、しっかり脳内に記憶は定着しません。ITパスポート試験の過去問題は公式HPで平成21年春期分から22回分公開されています(2020年9月29日現在)。時間を見つけてなるべく多くの問題を解くことで暗記した用語を覚えやすくなります。
出題範囲や問題内容はシラバスの更新とともに変わっていますが、文章のクセや問題の出し方、似た言い回しは変わっていません。あまり古い過去問題を解答しても意味はないと考える人もいますが、このような”問題のクセ”は問題に多く解答することで気づくことができます。同じ年度の過去問題を丸暗記するよりも22回分すべて解答した方がよいと思います。
過去問題は、PDF形式や実際の試験形態であるCBT疑似体験ソフトウェアがITパスポート公式HPで確認できます。
過去問題解答を効率的に行うのはITパスポート試験ドットコムの「過去問道場」がおすすめです。スキマ時間にゲーム感覚で楽しむことができます。
学習方法② 受験2週間前~
いよいよ残すところ14日。「まだまだ用語をしっかり覚えきれていない。」「過去問題の正解率が上がらない。」など不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
目的に向かってコツコツと勉強していたのであれば、後は自分を信じて頑張るのみ。脳内に入っている記憶をしっかり自分のものにしていきましょう。
試験日直前はどれだけ点数に繋がる知識を身につけられるかが合格の鍵です。
- セキュリティ技術的脅威(ウイルス系)を重点的に復習する
- 完全性、機密性、可用性をしっかり見分ける
- プロジェクトマネジメント10の知識を理解する
- アルファベット表記 頭文字で見分けて数の少ないものを覚える
- 特徴的な用語、4文字アルファベット表記を正確に覚える
- アルファベット表記(B、C、I、R、Sなど) 頭文字かぶりの多い用語を見分ける
- シラバス更新に伴う新用語を復習する
この7つのポイントに着目して用語をさらに覚え込むとよいと思います。頻出の内容を優先的に覚え、選択になった時により正解に近づけるように類似用語を見分けられるように意識してください。
用語の書き取りや過去問題解答により頭の中に靄(もや)のようにふわふわと情報が漂っている状態かと思います。そんなうろ覚えの状態をしっかり頭に定着させていきましょう。
変わりゆく試験内容
2019年4月の試験からはシラバス4.0が適応され、出題範囲もその内容に見合ったものに変更されています。新しい技術(AI、ビッグデータ、IoTなど)やアジャイルなどの開発手法に関係する用語が追加され、情報セキュリティ分野の出題数が増加しています。
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家資格です。
ITパスポート試験公式HPより
ITの基礎的な知識の中には、これから主流になってくるであろう知識も該当しています。利活用されるITに関する技術がより高度なものになれば、それだけITパスポート試験の内容も難しいものに変わっていくのではないのでしょうか。
実際、2021年4月よりシラバスが改定され、シラバス5.0が導入されます。数理、データサイエンス、AIに関する知識や新しいサービスをデザインするために必要な知識がより求められるでしょう。
もしも、受験を真剣に考えていてまだ挑戦していない方は早めの試験予約をおすすめします。
おわりに
最後まで
この記事を読み進めた方は、受験を真剣に考えていると思います。
試験内容について最後に重要なポイントをまとめさせていただきます。
項目 | 内容 |
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試験方法 | CBT(Computer Based Testing)方式 ※コンピュータを使用して解答する試験です。 |
合格基準 | 60%以上正解する※別途分野別に評価基準あり |
出題形式 | 4択 |
出題分野 | ストラテジ系(会社経営全般) マネジメント系(プロジェクト管理など) テクノロジ系(IT技術・セキュリティ) |
出題範囲 | シラバス4.0(2020/10/8現在) インダストリ4.0強化 情報セキュリティ関係強化 ⇒シラバス5.0(2021/4/1~) 難易度UP予想 |
IT業界未経験で現在の会社に入社をしてから、ITパスポート試験で勉強した知識に助けてもらってばかりです。受験する目的は人それぞれだと思います。中には難しい用語を覚えるのにつまづいたり、計算問題を理解することを辛く感じたりする人もいるかもしれません。しかし、学習して損をする内容は一つもありません。受験を決めたからには最後まであきらめずに合格を目指してください!