【2021年流行色】トレンドカラーを使いたくなる理由と選考基準

「デザイン」する中で非常に大切な「流行りをおさえる」ということ
Webデザインの中に流行色を取り入れて今っぽデザインをマスターしましょう。

2021年も残すところあとひと月となっておりますが、流行色のおさらいということで2021年流行色の振り返りと流行色の選定方法や使いたくなる理由についてお話ししたいと思います。

色見本を見ながら会議する人々

流行色とは

主に2つの団体が「来年の色」や「カラー・オブ・ザ・イヤー」として会議・決定、世界に向けて流行色を発信しており、アパレル業界を始めとした服飾や雑貨などがそれらの影響を受けて商品化がされています。

上記のことから実際に流行するのかは一旦置いておいて、流通して消費者の元に届く可能性が高いのでWebデザインする上で流行色のチェックは必須です!

それでは、その”主な2つの団体”をご紹介させていただきます。

JAFCA〈日本流行色協会〉

1963年にフランス、スイス、日本を主導に発足した色彩についての情報を取り扱う国際的な民間団体インターカラー〈国際流行色協会〉。2021年現在では世界17カ国が参加しています。
日本の代表団体JAFCA〈日本流行色協会〉が、インターカラーで選定した流行色を毎年12月に「来年の色」(トレンドカラー)として日本に向けて発信している。

図:トレンド情報の流れ
JAFCA 一般社団法人 日本流行色協会| 「カラートレンド情報の流れ」より

インターカラーでは、実シーズンの2年前に世界レベルでのトレンドカラー情報が選定され、実シーズン1年半前には国内市場向けとしてメンバーに発信されます。そこから各メーカーにて商品企画・商品化が行われ、実シーズンに消費者の元へ届くという流れになっています。

パントン社(PANTONE)

アメリカに本社を持つデザイン、印刷物、生活雑貨、色見本帳などの商品を提供している会社。世界基準とも呼ばれる色見本帳を提供するパントン社では毎年11月頃に次の年に向けた「カラー・オブ・ザ・イヤー」を公式HPにて発表している。

パントン社公式ホームページ
PANTON社 公式ホームページ

2021年の色

流行色を誰がいつ決めてるのかおわかりいただけたでしょうか。
お次はズバリ今年の流行色のご紹介です。流行色に選定された理由にも注目してみてください。

はじまりの色、希望のホワイト

JAFCA公式コラムでは「はじまりの色、希望のホワイト」と題して発表されています、2021年の色は「ゼロホワイト」でした。”はじまりの色”ですね。実際に私は最近IT業界に入社し、つい最近の研修でカラーコードというものを知り「白=#FFFFFF」わかりやすい!おぼえた!と心の中で言いました。

まさにはじまりの瞬間でした。
そんなトレンドカラーは、毎年JAFCA公式コラムで選定された理由が記載されています。インターカラーで選定された色の中から、日本に向けられた素敵な想いをとても感じられる選考理由を一部抜粋してご紹介します。

Zero White(ゼロホワイト)

JAFCAゼロホワイトイメージ画像

〈2021年のキーワード〉

「ゼロ」から考える /真実を見抜く「知性」と「清廉潔白さ」/「清潔さ」

日本流行色協会(JAFCA)は、2021年を象徴する色として白を選びました。白は、白紙に戻すなど「はじまり」を示す言葉によく使われます。希望を胸に、ゼロから考えるという意味を込めて、「Zero Whiteゼロホワイト」と名付けました。

白には他に「知性」「潔白」というイメージがあります。2021年は何が本当かを見抜く「知性」が求められます。政治に対しては隠し事のない「清廉潔白」が望まれるでしょう。

そして公共空間、家庭内ではウイルスから身を守る対策は今後も続けていかなくてはなりません。「清潔さ」は商品をデザインする上で大事なキーワードになります。白は「清潔さ」を表現するために欠かすことのできない色になります。

https://www.jafca.org/colorcolumn/20201204-001.html

カラーコード:#FFFFFF
RGB値:255, 255, 255
HSV値:0, 0, 100
CMYK:255, 255, 255, 1

アソートカラー・アクセントカラー

JAFCA公式コラムではゼロホワイトを引き立てる色としてアソートカラー2色とアクセントカラー2色も併せて紹介されています。

JAFCAアソートカラー・アクセントカラー

詳しくはこちら:JAFCA|色のコラム 2020.12.4

不屈のグレイ、前向きなイエロー

例年では1色のみの選出が多いそうですが、2021年は5年ぶりの2色がカラー・オブ・ザ・イヤーとして選出されました。「イルミティング」と「アルティメットグレイ」の合わせ技です。

そこにはやはりコロナ禍における世界情勢が背景にあるように感じました。選出された2色それぞれに大切な想いがあり、コンビネーションによって生まれる世界への鼓舞がビンビンに聞こえてきます。色のチカラ、スゴイ。

パントンカラーオブザイヤーイメージ画像

永続的なUltimate Grayと明るいイエローのIlluminatingの組み合わせは、不屈の精神に支えられたポジティブなメッセージを表現しています。実用的でしっかりしていると同時に、暖かみがあり楽観的なこのカラー・コンビネーションは、私たちに回復力と希望を与えてくれます。私たちは、励まされ、元気づけられる必要があり、これは人間の精神に不可欠なものです。

パントン・カラー・インスティチュートのエグゼクティヴ・ディレクター、レアトリス・アイズマン

Illuminating(イルミネイティング)

イルミネイティングイメージ画像

PANTONE 13-0647 Illuminatingは、生き生きとした輝きを放つ明るく陽気なイエローで、太陽の力を宿した暖かさを与えるイエロー・シェードです。

https://www.pantone.com/articles/past-colors-of-the-year/color-of-the-year-2021

カラーコード:#F5DF4D
RGB値:245, 223, 77
HSV値:52, 69, 96
CMYK:0, 9, 68.6, 3.9

Ultimate Gray(アルティメットグレイ)

アルティメットグレイイメージ画像

PANTONE 17-5104 Ultimate Grayは、永続的でしっかりした基盤をもたらす、強固で信頼できる要素を象徴しています。

https://www.pantone.com/articles/past-colors-of-the-year/color-of-the-year-2021

カラーコード:#939597
RGB値:147, 149, 151
HSV値:209, 2, 59
CMYK:2, 1, 0, 40

パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー2021の用い方

パントンからは2021年のカラー・オブ・ザ・イヤーの2色を取り入れる為の手助けとして、イルミネイティングとアルティメットグレイをフィーチャーした独自のカラーパレットを紹介しています。

カラーパレット:AVIARY
カラーパレット:ENLIGHTENMENT
カラーパレット:INTRIGUE
カラーパレット:ORBITAL
カラーパレット:SUN AND SHADOW

Web、モバイル・アプリ経由、そしてAdobe® Creative Cloud®のエクステンションとしてご利用いただけるデザイナー向けデジタルカラー・プラットフォーム、Pantoneコネクトから様々なパントンカラーを使うこともできます。

詳しくはこちら:PANTONE公式「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー2021」
       :「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー2021の用い方」
※現在は閲覧できないページとなっています

これらのカラーを用いてWebデザインに活かせたら楽しそうですよね。
実際に使うとき、どんな感じで配色したら良いかなどはこちらの記事でよくわかります!

流行色=色の専門家たちの願い

さて、冒頭で置いておいた”実際に流行するのか”というところ、皆さんはどう思いますか?
私は色に込められた意味を、想いを知って、そんな願いの込められているこの世界がキラキラしているように感じました。

現実問題どうこうと卑屈にならずに、私たちの未来は明るい!と信じる人々の声が聞こえちゃったみたいな。だからこの色を使いたいという風に思いました。そういった人が多ければ”実際に流行する”のではないのかなと!

一般社団法人日本流行色協会(JAFCA)は、1953年設立以来、あらゆる商品分野に向けた先行き市場向けのカラー情報を選定、提案を行っています。60数年にわたる調査・研究活動の中で、流行する色はその時々の時代や社会のムード、人々の意識と関連が深いことが分かってきています。

一般社団法人日本流行色協会(JAFCA)

2022年の流行色の発表はもうすぐです!
世界的なパンデミックは落ち着いたものの、新たなる不安も抱える現在から来年に向けてどんな色が発表されるのか気になるところですね。

今回紹介したJAFCAとパントンではコラムや記事にて過去の流行色もチェックできるので、純文学を読むような気持ちで楽しんでいただくのもまた一興かと思います。

作者情報

Webデザインに憧れちゃってるガチガチの深夜ラジオリスナー。ラジオを聴きながら散歩をするのが趣味です。あと世界一カワイイ黒猫を飼っています。