公開日2020.11.11
最終更新日2022.10.04
はじめに
近年、日本だけではなく、世界中でSNSでの誹謗中傷が問題となっています。
ですがこれは芸能人や有名人のみの問題ではなく、
私たち一般人もSNSユーザーであればだれにでも起こりうる問題です。
2019年8月、茨城県で起こった高速道路あおり運転暴行事件(常磐道煽り運転事故)。
同乗していた女性が携帯をかざしていたことも話題となったのは皆さんの記憶にもあるのではないでしょうか。
その騒動の犯人逮捕前、
「SNSに載せていた服装が似ている」という理由だけで
全く無関係の女性が”ガラケー女”として特定され、多数の誹謗中傷を受けました。
これは 全くの偶然 と 無関係者の思い込み が引き起こした悲劇ではありますが、
似たような危機は、日常茶飯事でいつでも潜んでいます。
ターゲットはいつ、何かのタイミングでアナタになる可能性もあるのです。
誹謗中傷に巻き込まれた実体験
ある日匿名掲示板に書かれた個人ID
実は著者も誹謗中傷に巻き込まれ、個人情報が晒される一歩手前の経験があります。
学生時代のある日、趣味の場で知り合った知人から突然連絡があり、
「ごめん、あなたのTwitter IDが掲示板に書かれた。」とのこと。
事情を確認すると、その知人がとある界隈のイベント時に
ファンの間でのマナー的にあまりお上品でない行為をしたらしく、
現場を見たファンの一人が知人のTwitterを特定、
ファン匿名掲示板にて非難されているようでした。
その時期たまたまTwitter上でやり取りしていた私との会話内容そのままが
コピペで掲示板へ投稿されており、
完全にとばっちりで私のTwitterのIDまで晒される結果となりました。
誹謗中傷目的の個人情報特定
特定された知人については掲示板上では言いたい放題でした。
Twitterに書いてある情報から
どの地方のファンなのか、どのイベントに参加しているのか、
他の同行した友人を一緒に晒し「こいつもグルだ」と叩き、
ついには謎の「こいつブス」という容姿批判までされていました。
幸いなことに私はその界隈のことを積極的につぶやくことはしていなかったためか、ターゲットにはならず直接被害はありませんでした。
ですが恐らく掲示板の何人かが私のTwitterも遡って
過去に何か粗がないか調べた人がいるだろうと思います。
(実際Twitterのエンゲージメント数は上がっていました。)
個人情報の特定はストーカーが行うものだと思われがちですが、
昨今ではこのように”誹謗中傷のネタ”として個人情報、個人の行動を特定する人が一定数います。
こんなところから読み取れる個人情報
自身のつぶやきや写真などの背景から個人情報を特定される、ということは
よく危険として紹介されていますが、
(こちらの記事も参照ください:個人情報特定!?知っておこう、SNSの危険!)
当記事では、自分自身でどんなに気を付けていても起こりうる大きな隙を紹介します。
フォロー/フォロワーからたどる情報
「公開しているSNSに完全に現実の知り合いはいない!」という方は話が別ですが、
著者が当時使用していたTwitterのアカウントは
いわゆる「リア垢」(リアルの友人がフォロー/フォロワーにいるアカウント)
でした。
SNSの使用方法は人によって自由ですが、
人によっては「〇〇市在住、▲中学出身→□高校」と
ご丁寧に住んでいる地域と学校を書いている人も少なくはありません。
フォロー/フォロワーの中から似たような地域在住の人物を絞るだけで、
その人の地元、交友関係、あわよくば出身校まで近づくことが可能となります。
またそのフォロー/フォロワーと交流があった時のことが書かれていて、
写真を撮影・掲載されていれば顔の特定も可能です。
このように自分自身がどれだけ警戒していても、周りを調べればその人にたどり着くのはそう難しいことではありません。
防止のための心構え
最近では、あまりにもひどい誹謗中傷が多数行われた場合、訴訟を起こす人も徐々に増えてきましたが、
多額のお金がかかりますし、誰しもが訴訟を起こせるわけではありません。
まずは自分の身を守ることが一番大切となります。
・周りを含め、個人の行動・情報を守る意識を
なんでも発信できる世の中になったからこそ、
万が一何かに巻き込まれた際は、自分だけではなく、
周りの友人・家族を巻き込む可能性もあることを意識して
SNSでの発信を楽しめたらと思います。
・SNSは、みんなが見ている
これは当たり前のことではありますが、
長年SNSを使用しているといつの間にか、
「個人のつぶやきの場なんだから好きなことつぶやけばいいじゃん!」という考えに陥ってしまいがちです。
ですがそのつぶやきはフォロー/フォロワーがいる限り、
誰かが必ず見ていますし、
公開にしていればその外からも人が見ています。
フォロー/フォロワー0のアカウントで鍵をしない限り、
家の窓全開で拡声器を使用して外に叫んでいることと同じです。
終わりに
SNSが発祥してからもう何年も経ち、
全く使用していない、という人のほうが少ない世の中になってきました。
今一度、自身のSNS 、家族友人のSNS を見直し、
いわれのない誹謗中傷、個人情報特定の悪意に巻き込まれないように、
SNSユーザー全員がネットリテラシーを身に着けられる時代が進めばいいなと思います。