公開日2018.11.09
最終更新日2022.09.26
AI化が進む社会の波に溺れないよう、勉強中のベガです。
2018年9月、弊社ブリーズグループの関連会社である株式会社RSPが日本橋に無人コンビニロボットマートをプレオープンした。
(2022年9月現在店舗を八丁堀へ移し営業中)
周知かもしれないが、2018年は「ロボットマート」のようないわばAIによる無人レジ実装に先駆けた試作機が続々と発表された年である。
2016年以降、様々な業界でAI開発(ディープ・ラーニング的AIを搭載した無人決済システムないし、それに準ずるシステム開発)を発表し、試作機を稼働させていることで、日本もいよいよ本格的にAI化が進んでくると思った人は多いのではないか。
自動車の自動運転技術から派生し、身近な存在であるコンビニがAI化したことによって、この波は、いっそう大きくなることが予想される。
今回は、その無人コンビニにスポットを当て、アメリカの米アマゾンと日本のサインポスト株式会社等(以下サインポスト)の開発したコンビニ決算システムを比較したうえで、無人決済システムに興味・関心を持っていただける材料にしてもらいたい。
米アマゾンの「Amazon Go」
レジ仕様
- 車の自動運転技術を応用したAIとカメラ、センサーによるコンビニ無人化を実現。
メリット
- スピード感ある買い物を実現、労働者不足の解消。
デメリット
- 新型AIや大量のカメラ、センサーを必要としたレジシステムによるハイコスト、完全クレジット決算という欧米型な仕様、失業率の拡大。
サインポスト「ワンダーレジ」
※スーパーワンダーレジとは異なる。
レジ仕様
- 従来と同じく、レジがあり、レジ内にあるカメラやセンサーを用いて商品を識別し決算する。
- アマゾンのレジレスとは違い、セルフレジの進化形といったところである。
メリット
- レジの簡略化によるスピード感を実現。
- アマゾンやICタグを要した仕様と比べると比較的ローコストでの運用可能。
- 運用保守の人間が必要なため、ある程度の雇用ニーズがある。
- 仕様は電子マネーだが、レジがある分、ニーズに合わせて決算方法の幅を広げる余地がある。
デメリット
- アマゾンに比べ、レジの行程が入る分、スピード感は劣る。
- カメラセンサーがレジに集中しているために、レジ内での識別能力が求められる仕様になっており、大量の商品を識別する技術を要するため、技術的課題はAmazon Go形態を凌ぐといってもいい。
まとめ
今回比較してみて、欧米発と国産では、技術力の違いというようよりは、むしろそれぞれの文化からくる着想の違いの方が興味深かったように感じる。
今回日本企業として取り上げたのは、ワンダーレジだったが、パナソニック等が開発する「レジロボ」という国産発の無人レジも、ワンダーレジと同じくレジが存在する。
キャッシュレスにウェイトを置く欧米と現金決済にウェイトを置く日本人は対照的であるように思える。
しかし、日本企業がキャッシュレス化をしていないわけではない。
サインポストはワンダーレジを開発する一方で「スーパーワンダーレジ」というキャッシュレス化、すなわちAmazon Goと同じ形式での無人レジ開発もしている。(もちろんその他の日本企業も同様)
その試作機が2018年10月17日からJR赤羽駅に設置された。私も実際足を運び体験してきたが、その体験談は次回に述べることにしたい。
参考資料:
無人コンビニ「Amazon Go」は日本の流通業界を席巻するか | DIAMOND online
AI利用の画像認識で関心を集める ワンダーなレジスター | DIAMOND online