気づけばApple社のiPhoneを第2世代から使い、iPhone使用歴は9年以上になる。
iPhoneを使い始めた当時は、ガラケーと比べたら「重たい、ゴツい」と周りから揶揄されていた。
筆者も使い始めは違和感を感じながらも、このガジェットの未来感の方が優っていたため、その後も新作が出る度に買い求めるようになった。

世界的に見てもiPhone(Apple)好きな日本人

その野暮ったいと言われたiPhoneも我が国日本では、現在も絶大な人気と市民権を得ている。
この成長ぶりに目を付けていたにも関わらず、投資対象として見ていなかったことが残念でならない。当時からするとAppleの現在ではの株価は10倍になっており、ボーナスをつぎ込んでも良かったと後悔している。

周りからはApple信者と言われるが、自分自身は「信者」ではなく「ただの利用者」として
位置づけている。
Apple社製品の経歴は、デスクトップPCに位置づけられる「iMac」、ノート型パソコン「MacBook pro」、超薄型パソコン「MacBookAir」、スマホ連携型腕時計「AppleWatch」、タブレット端末「iPad」「iPad Pro」、そして「Apple TV」である。

Apple信者から「Apple」食わず嫌いの方へ

これだけ見るとApple製品に実に投資した事実から、「信者」を否定するのは難しくなる。
ただ、この経歴を辿ってきたのには「信者」ではなく「ただの利用者」としての理由がある。

それは、「Apple製品同士のリンク」である。

「MacBookを使用時に、iPhoneに着信があったら、そのまま出ることでき、通話ができる」
「Macbookへ、iPhoneやiPadから写真データ等を無線で送ることができる」
「カレンダーやその他のアプリのデータを端末間で共有ができる」
「iCloudを使い、端末間でのデータをやりとりが容易になる」
「iPhoneやiPad、MacBookの端末を大型のTVに投影(ミラーリング)できる」

同社の製品間の結束は強いが、この間にAndorid端末などが入るとリンクは途端に絶えてしまう。この盤石なビジネス戦略はよく考えられたものだ。
いちはやく便利な機能と多様性、製品ごとの紐付けを行なったAppleはユーザーの完全包囲網を築き上げたのだ。
使いこなさなかったらApple製品の断捨離は簡単だが、この完全包囲網に一度ハマると抜け出すのは難しい。アプリもAndroidより先駆け、ObjectCというコードをもとに多くのアプリ開発者を巻き込んだ。
逆にいえば、この包囲網(端末間リンク)をうまく使いこなせば、いち利用者として仕事もプライベートも充実させることができる。

AppleTVの実力を知る

数多くある端末でもオススメは「AppleTV」である。実はこの弁当箱よりも小さい端末は、Apple製品の中でもあまり知られていない。

AppleTVの主な特徴は3点である。

AppleTVをテレビに接続すれば、

「iPhoneやiPad、MacBookの端末をHDMI変換で、無線で投影できる(ミラーリング)」
「クラウド上のデータをTVで見ることができ、音楽も再生できる」
「Netflix、Huluなどの複数のネットチャンネルを見ることができる」

これらの動作環境は、「全ての端末が同じネットワーク内に属していること」だけである。

特筆すべきは「ミラーリング」機能である。この機能を使えば、仕事も遊びの幅も広がる。

会社でAppleTV使ってみた

会社での活用方法を挙げよう。
これまでの会社での会議はパソコンにケーブルを繋ぎ、プロジェクタに接続して、スクリーンに投影するのが一般的であった。
光源を使ったプロジェクタは、会議室を暗くし、繋げたパソコンにプレゼンテーターがべったりとくっついた状態で使用する。そこでは、席移動の時間や電気の点灯・消灯を行なう手間も生じる。

AppleTVはこの手間を無くしてくれる。
高輝度大画面のTVにAppleTVをHDMIケーブルで接続し、MacBookからボタンを一つ押せば、無線で画面が投影される。
AppleTVが同じネットワーク内のパソコンの画面をTVに中継して投影する仕組みである。

同じネットワーク内であれば他のMacBookからも無線で投影できるため、すぐに発表パソコンの切り替えは可能だ。
発表者が交代しても移動したり、部屋を暗くし直したりする必要はない。

発表時には、手元にあるiPhoneをリモコンとして、KeyNote(mac版パワーポイント)のスライドを操作できる。
これほどビジネス環境がスマートになれば、暗い部屋で眠さと闘う非効率な会議とは、もうおさらばというわけである

AppleTVで映画鑑賞

プライベートでの活用方法を紹介しよう。
このAppleTVはプライベートでも使える。
ひと昔前までは、高価なプロジェクタを器具で天井に固定し、吊り下げた巨大なスクリーンへ投影して、映画を観ていた。

今は大型TVも比較的安価に購入できるため、プラスAppleTVを使えば、きれいな画質で映画を楽しめる。

「コストパフォーマンス」、「配線の少なさ」、「準備の手間いらず」、「画質・音質の良さ」を考えれば、このAppleTVは職場、家庭に一台ずつ置いて置くべきものである。

自分自身も大勢を相手に講義をした際には、iPadをAppleTV経由で大画面につなぎ、受講者のノートを動画で写す方法をとっていた。
TVからどんなに離れていても、手元の映像をワイヤレスで投影できるのがこの上なく便利であった。

Appleに代わる日本の未来

このままでは、Appleの提灯記事のようにとらえられるため押さえておくが、現在はこのようなワイヤレス化は他者製でも可能である。

街中の電柱の地中化も進み、世の中からワイヤーが隠れつつ、消えつつあるなかで日本のIT企業や大企業を見渡すと、まだまだワイヤレス化は進んでいない。
一方で日本のネットワーク環境は10年前に比べて、はるかに安定性・高速性を高めている。

ワイヤレス化を推めるには充分な環境があるにも関わらず、ネット接続は無線で、その他の機器は有線で接続するという職場はまだまだ多い。
世界の企業をはじめ、少しずつ日本の企業も職場をシンプル・高機能にデザインしている。
また、ダイバーシティにより、感覚的な操作で仕事ができることも求められている。
何よりも、日本の東京は今、東京オリンピック2020に向けてカウントダウンが始まっており、世界に向けてCoolJapanの真価が問われている。

「日本はもっと先進的でいいのではないか。」

IT企業で働く私たちの働き方、遊び方も変化が求められているのかもしれない。