新型コロナウィルスが起こした騒動を振り返る

リテラシーの観点から振り返る新型コロナウィルスが起こした騒動

こんにちは。ここ一か月生活が自室でほぼ完結していると感じている輪投げです。

今年に入ってから猛威を振るっている新型コロナウィルス(正式名称『COVID-19』)ですが、緊急事態宣言・自粛要請が続き、経済に深刻な影響を及ぼし続けています。

今回の記事では、この新型コロナウィルスがきっかけで起こった様々な騒動を、主にリテラシーの観点から振り返っていきたいと思います。

マスク不足はなぜ起きた?

コロナウィルスが実生活に最も早く影響を及ぼしたのは、おそらくマスクの不足と高騰でしょう。フリマアプリなどでの転売が禁止され、Amazonでも徐々に買えるようになってはきていますが、100均ショップにも30枚入りのマスクが売られていた流行前と比べると、今現在はおおよそ50枚で2~3000円近くと、異常な高騰が起きているとわかります。

ネット通販のマスク販売画面のスクリーンショット

特定の品物が高騰した原因として、需要の高まりは直結しています。
世界的な流行により、普段マスクをする習慣のなかった諸外国の人々もマスクをせざるを得ないほどの状況になったことにより、マスクの需要は世界的に高まりました。
日本ではマスク流通量の8割ほどを輸入に頼っていた上に、大半は中国からだったことを考えると、マスク不足に陥ることは必然でした。

多発する買い占め、転売

そしてマスク不足に追い打ちをかけたのは、SNSやニュース報道でした。マスクが買えなくなっているという情報はかなり早い段階からSNS上でも騒がれていましたが、そうなると買い占めようとする人は必ずと言っていいほど出てきます。

自分に必要な分以上の量を買い占めたうえで、それを相場や定価以上の価格でフリマアプリなどに出品する人は『転売ヤー』と呼ばれ、以前から問題視されていました。
発売当初のニンテンドースイッチなども彼らによって店頭からしばらくの間姿を消していました。

「足りなくなりそう」という投稿を目にする
→鵜呑みにした客や転売ヤーなどが必要な量以上を購入する
→品不足になる
→必要としている人には届かない
→「品物がない」という投稿が増える

上記の悪循環が今回のコロナ禍においても起きてしまったのです。
転売ヤーはマスクを必要以上に買い込み、フリマアプリなどに出品を行っていました。3月15日以降、政府によってマスクの転売が規制されたことを鑑みても、リテラシーの不足が混乱を招き、ほかの人々を困らせてしまうことがわかります。

コロナ禍の中、リテラシーの不足から情報を鵜呑みにした結果、さらなる混乱を引き起こしたケースはほかにも何回か発生しています。 

例えば、トイレットペーパーの一時的な品不足はマスクの品不足に続いて「トイレットペーパーも不足するのではないか」といううわさがネット上で広まり、一時的な品不足を引き起こしていました。
実際は98パーセント以上を国内生産で賄っているため、トイレットペーパーは慢性的な品不足にはならずに済みましたが、これも一つの投稿から始まり、それを鵜呑みにした人が慌てて買いに走るという悪循環によって引き起こされた混乱の一つに数えられます。

偽情報の広まり

嘘の情報や、未確認の情報が広まってしまったケースも多々ありました。 「新型コロナウイルスの増殖を抑える」 のような、効果のある医薬品だと誤解しかねない宣伝文句のサプリメントを広め、行政指導を受けた企業も出ました。

また、サプリメントだけでなく、納豆や緑茶のような一般的な健康食品も効果があるとオーバーに取り上げられるケースがあり、「昨日と主張している内容が違うな」と感じるテレビ番組などもありました。
偽のサプリメントや健康食品への注意喚起は『 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 』などで随時取り上げられているため、偽の情報に惑わされないように確認しておくことも重要です。

既存の医薬品に関しても注意が必要です。 レムデシビル、アビガン、ヒドロキシクロロキン、レロンリマブ、カレトラ といった既存の薬がコロナウイルスに効果があるといったニュースが連日報道されていますが、これらは元々ほかの病気に対する薬のため、現状は本当にコロナウイルスに効果のある薬と認められているわけではありません。

逆に深刻な副作用が起きてしまう場合がありますので、効果が正式に認められていない医薬品を医療関係者の方に無理やり頼み込んだりはしないようにしましょう。

マスクをしている女の子とぬいぐるみ

ネットリンチや特定の発生

コロナウイルスにかかってしまった後、対応を間違ってしまった人はやはりどうしても出てきてしまいます。しかし、その人物の個人情報を特定し、勤務先と思われる会社や知人を私的に攻撃する、いわゆるネットリンチや私刑は決して行っていいものではありません。

そもそもの特定した情報が間違いであったため、関係のない会社や店舗がいわれのない風評被害にあってしまう事例が今回のコロナ禍中にも発生しました。前提として、個人情報の流布は犯罪です。書類送検になった事例も過去何件も存在するため、こういった情報リテラシーの低い行為は決して行わないようにしましょう。

今後懸念されるリテラシー騒動は?

現在、情報の錯綜によって引き起こされる騒動は、予防に関するデマなども含めて非常に起きやすい状況にあります。

近いうちに懸念される事柄としては、給付金の受給が考えられます。すでに申請等が行われている地域では、役所が連日混雑しているようです。

ここからさらに混雑が予想されますが、受け取りや申請の方法に関してしっかりと確認していなかった場合、オンライン申請時に偽サイトに引っかかるなどのトラブルに自身が巻き込まれてしまう可能性があります。

世界中が混乱している現在、トラブルに巻き込まれないためにも、目に入った情報をすぐに鵜呑みにせず、情報の真偽を確かめるリテラシーをしっかりと身に着け、注意していくようにしましょう。

作者情報

なにかが起きて今ここにいます。前職は夜十時過ぎまでスーツで飛び込み営業をしていたような……?
とりあえずメンタル回復しつつやりたいことを考えています。