公開日2026.07.08
最終更新日2026.06.26
はじめに
ローコード開発ツールは、コードの記述を最小限に抑えながら、効率的にアプリケーションやシステムを開発できる手法として注目を集めています。
DX推進や生成AIの活用拡大を背景に、短納期・低コスト・高品質なシステム開発を実現する手段として、多くの企業で導入が進んでいます。
本記事では、主要なローコード開発ツール10製品を厳選し、それぞれの特徴や強みをご紹介します。
ローコード(Low-Code)開発ツールとは
ローコード開発とは、ソースコードの記述を最小限に抑え、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)上でのドラッグ&ドロップやテンプレート操作を中心にアプリケーションやシステムを開発する手法・プラットフォームです。


高度なプログラミング知識がなくても短期間で高品質な開発が可能で、必要に応じてコードを追加して柔軟にカスタマイズできる点が特徴です。
従来のフルスクラッチ開発に比べて開発期間やコストを削減でき、非エンジニアでも業務アプリを構築しやすいため、DX推進やIT人材不足への対応策として注目されています。
ノーコードとローコードの違い
ノーコードとローコードは、どちらもプログラミングの負担を減らしてアプリケーションを開発する手法ですが
ノーコードはソースコードを書かず、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作だけで開発できるため、専門知識がなくても利用できますが、機能やカスタマイズ性に制限があります。


一方、ローコードは視覚的な操作を中心としながら、必要に応じて少量のコードを追加できるため、より高度な機能や既存システムとの連携にも対応可能です。
ノーコードは手軽さ、ローコードは柔軟性と拡張性に優れている点が大きな違いです。
おすすめのツール10選
OutSystems(アウトシステムズ)
OutSystemsは、ポルトガル発で現在は米国にも本社を置くグローバル企業が提供するローコード開発プラットフォームです。
Web・モバイル・デスクトップ向けアプリを高速開発でき、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作やコード自動生成機能により、高い生産性を実現しています。
大規模・基幹系システム開発やレガシー移行に強みを持ち、金融・製造・医療・官公庁など幅広い業界で導入されています。
フロントエンド、バックエンド、システム連携、ライフサイクル管理、DevOps連携などエンタープライズ向け機能も充実しており、高いセキュリティと拡張性を備えています。
一方で、小規模開発にはオーバースペックとなる場合や、カスタマイズに難しさを感じる声もあります。
料金は非公開ですが、無料トライアルが提供されており、初心者でも短時間でアプリ開発を体験できます。
公式サイト:https://www.outsystems.com/ja-jp/
WebPerformer(ウェブパフォーマー)
WebPerformerは、キヤノンITソリューションズが提供する国産のローコード開発プラットフォームです。
設計情報からJavaソースコードやデータベーススキーマを自動生成し、PC・スマホ・タブレット向けのWebアプリを短期間で高品質に開発できます。
DOA(データ中心アプローチ)と画面ファースト開発の2つの手法に対応し、データグリッドやグラフ、チャットボットなど多彩な機能を搭載可能です。設計・テスト工程の効率化にも強みがあり、累計1,500社以上(2026年6月時点)に導入されています。
また、既存システムとの連携や基幹システムの刷新に適しており、クラウド連携による共同開発やニアショア開発にも対応しています。短納期・高品質・低コストを実現できる点から、大企業を中心に採用されています。
無料で1ヶ月使えるトライアルライセンスが提供されています。
公式サイト:https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/application/webperformer
Microsoft Power Apps(マイクロソフト パワーアップス)
Microsoft Power Appsは、Microsoftの「Microsoft Power Platform」に含まれるローコード開発ツールで、ブラウザやスマホから業務アプリを簡単に作成できます。GUI操作とExcelのような関数を組み合わせて開発でき、テンプレートを活用することで短期間でのアプリ構築が可能です。
Excel、Teams、SharePoint、Outlook、Power BIなどのMicrosoft製品とシームレスに連携できるほか、200種類以上の外部サービスとも接続可能です。さらに、AI Copilotによるアプリ自動生成や、Power Automateとの連携による業務自動化、データ分析機能なども備えています。
Microsoft 365やDynamics 365利用者は導入しやすく、市民開発から大規模エンタープライズ開発まで対応できる柔軟性と拡張性が特徴です。
無料の開発者向けプランが提供されています。
公式サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-apps
Pleasanter(プリザンター)
Pleasanterは、株式会社インプリムが提供する国産のオープンソース型ローコード/ノーコード開発ツールです。
Excelのような操作感と直感的なマウス操作により、専門知識がなくても業務アプリを簡単に作成でき、中小企業や業務部門での利用に適しています。
プロジェクト管理、問い合わせ管理、営業日報、タスク管理などのテンプレートが豊富に用意されており、ガントチャートやカンバンなどの管理機能も搭載しています。
標準機能で対応できない要件には、APIやJavaScriptによる拡張も可能です。
OSS版は無料で利用でき、機能制限やユーザー数制限もありません。
有償のクラウド版やサポートサービスも提供されており、低コストで業務アプリを内製化したい企業に適したツールとして評価されています。
公式サイト:https://pleasanter.org/
kintone(キントーン)
kintoneは、サイボウズ株式会社が提供する国産のローコード/ノーコード開発ツールです。
ドラッグ&ドロップで業務アプリを簡単に作成でき、顧客管理や勤怠管理、申請ワークフローなど幅広い業務に対応します。
100種類以上のテンプレートや200以上の拡張機能を備え、Excelや紙、メールで分散した情報を一元管理できる点が特徴です。
SNSのようなコミュニケーション機能や外部サービス連携にも対応しており、現場主導で業務改善を進められます。
導入企業は42,000社以上(2026年6月時点)にのぼり、専門知識のない非IT部門でも活用しやすい点が高く評価されています。
公式サイト:https://kintone.cybozu.co.jp/
intra-mart(イントラマート)
intra-martは、株式会社NTTデータイントラマートが提供する国産のエンタープライズ向けローコード開発プラットフォームです。
10,000社以上(2026年6月時点)の導入実績があり、ワークフロー市場で長年トップシェアを誇ります。
ドラッグ&ドロップで業務アプリや業務ロジックを開発でき、ワークフロー、BPM、人事、経理、購買などの機能を統合管理可能です。
AI、OCR、RPA、電子署名など外部技術との連携や、多言語・多タイムゾーン対応にも強みがあり、大企業の全社的なDX基盤として活用されています。
無料の製品トライアル版が提供されています。
公式サイト:https://www.intra-mart.jp/
CELF(セルフ)
CELFは、SCSK株式会社が提供する国産のローコード/ノーコード開発プラットフォームです。
Excelに近い画面や操作性を採用しており、Excelに慣れた業務担当者でも簡単に業務アプリを作成できます。
主な特徴は、Excelファイルをもとに業務アプリを自動生成できる点で、関数や数式も活用可能です。
また、ドラッグ&ドロップ操作で処理や自動化を設定でき、プログラミング知識がなくても開発できます。
予算管理、見積、案件管理などのテンプレートも豊富で、データの一元管理や複数人での同時編集、スマートデバイス対応など、従来のExcel運用では難しかった機能を実現します。
さらに、RPA機能の追加による業務自動化にも対応しています。
導入実績は1,200社以上(2026年6月時点)あり、「脱Excel」を進めたい企業向けのツールとして評価されています。
30日間の無料トライアル(最大5名までご利用可能)も提供されています。
公式サイト:https://www.celf.biz/
Mendix(メンディックス)
Mendixは、Siemens傘下の企業が提供する、エンタープライズ向けローコード開発プラットフォームです。
設計から運用保守までをオールインワンで提供し、Web・スマホアプリ、予算承認システム、オンラインショップなど幅広い開発に対応しています。
ドラッグ&ドロップ中心のノーコード/ローコード環境を備え、業務部門でも直感的にアプリ開発が可能です。
データ構造や画面をビジュアルに関連付けるモデル駆動開発を採用しており、ビジネス部門と開発部門の共同開発にも適しています。
また、AWS・Azure・SAPなど主要クラウドと連携可能なマルチクラウド対応で、作成したアプリはワンクリックでクラウドやオンプレミス環境へ展開できます。
マイクロサービスやIndustrial IoTとの統合にも強みがあります。
さらに、生成AIアシスタント「Maia」を搭載し、開発効率や品質向上を支援。金融・製造・公共分野など、大規模企業での導入実績も豊富です。
無料のフリープランも提供されています。
公式サイト:https://www.mendix.com/ja/
iPLAss(アイプラス)
株式会社電通総研が提供するiPLAssは、エンタープライズ向けシステム開発に対応したJavaベースのローコード開発プラットフォームです。
Webブラウザ上でデータ定義や設定を行うだけでアプリを構築でき、環境構築や開発工数を大幅に削減できます。
認証・認可、ワークフロー、データ集計、通知、CRUD操作など、業務システム開発に必要な機能を標準搭載しており、会員管理システムやスマホアプリ向けBaaSなど幅広い用途に活用されています。
ノンプログラミングでも利用できますが、JavaやGroovyによる高度なカスタマイズにも対応しており、柔軟性や拡張性が高い点が特徴です。また、データ定義の変更をサービス停止なしで即時反映でき、クラウド・オンプレミスの両環境に対応しています。
オープンソース版は無料かつ個人情報登録不要で利用可能で、データ管理やロジックカスタマイズ、マルチテナント機能などを提供。
有償版の「Enterprise Edition」や「Cloud」では、さらに高度なセキュリティや機能拡張が利用できます。
公式サイト:https://itsol.dentsusoken.com/iplass/
Magic xpa(マジック エックスピーエー)
Magic xpaは、Web・モバイル・デスクトップ向けの業務アプリを迅速に開発できるローコード開発ツールです。
生産管理や販売管理、人事、会計など幅広い業務システムに対応し、50,000社以上(2026年6月時点)の導入実績があります。
ドラッグ&ドロップによる直感的な操作で専門的なプログラミング知識がなくても開発・デプロイが可能で、テンプレートを活用した画面設計にも対応しています。
また、マルチOS・マルチデバイス対応で、サーバーサイドとクライアントサイドをワンソースで同時開発できる点も特徴です。
Visual Studioベースの開発環境「Magic xpa Studio」を採用し、メタデータ駆動型の仕組みにより修正内容を即時反映できます。
さらに、IMDG搭載により高いメンテナンス性と障害耐性を実現し、効率的で柔軟なアプリ開発・運用を支援します。
公式サイト:https://www.magicsoftware.com/ja/app-development-platform/xpa/
まとめ


ローコード開発ツールは、最小限のコーディングでアプリやシステムを開発できるため、専門的なプログラミング知識がなくても導入しやすい開発手法です。テンプレートやAIを活用して短期間・低コストで開発でき、業務効率化やDX推進、ペーパーレス化、人材不足への対応に役立ちます。
一方で、ツールごとに機能や料金、拡張性が異なるため、「どのツールが優れているか」ではなく、「自社の体制・規模・目的に合っているか」を基準に選ぶことが重要です。導入前には、解決したい課題や開発したいシステムの要件を整理し、利用部門へのヒアリングを行ったうえで、機能・実績・コストを比較検討する必要があります。
適切なツールを選べば、開発期間の短縮やコスト削減、保守性や品質の向上を実現できるため、企業のデジタル化を効果的に推進できます。
本記事で紹介した製品や選定ポイントを参考に、自社の課題や目的に合ったローコード開発ツールの導入を検討してみてください。
参考サイト
https://www.aspicjapan.org/asu/article/33846
https://www.intra-mart.jp/im-press/useful/lowcode_comparison
https://boxil.jp/mag/a7665/
https://cone-c-slide.com/liblog/lowcode-tool/
https://media.tricorn.co.jp/development/low-code/2526/
https://itsol.dentsusoken.com/iplass/blog/tool-comparison_vol1-5140/
https://www.e-sales.jp/eigyo-labo/low-code-development-platform-23090


