公開日2023.04.25
最終更新日2023.04.25
みなさんこんにちは!たくまるです。今年未経験でIT業界に入り、Linuxの資格(LPIC-Lv1)取得に向けて学習中です。みなさんは、「Linux(リナックス)」とは何かご存じですか?IT業界の方ならご存知かもしれませんが、一般の方は知らないという方が大半でしょう。
私も1年前までIT業界未経験で「Linux」の存在は全く知りませんでした。本記事では、Linuxに興味がある方、ITエンジニアやインフラエンジニアを目指している初心者の方向けに「Linux」とは何か?解説していきます。
Linuxってなに?
Linux(リナックス)とは、OS(Operating System)といわれる基本ソフトウェアの一種です。他の代表的なOSとして、WindowsやMacがあげられます。みなさんもWindowsやMacはご存じかと思います。Linuxは、主にサーバーやシステム開発に特化して用いられるOSです。業務用として使われることが多いため、一般的には身近な存在とは言えないでしょう。
そもそもOSとは?
OSとは、オペレーティングシステムの略で、コンピュータ全体の管理と制御を行います。パソコンやスマートフォンなどのハードウェアは、それ単体では機能しません。私たちが、パソコンやスマートフォンでアプリを使ったり、文字を入力できるのは、OS(オペレーティングシステム)のおかげです。
WindowsやMacとの違い
LinuxとWindows/Macとの違いは主に以下の3つです。
- UI(ユーザーインターフェース)
- 導入コスト
- サポートの有無
それでは、順を追って解説していきます。
1.UI(ユーザーインターフェース)
Windows/Macは、マウスの操作を前提としたGUI(Graphical User Interface)を基本としています。
例えば、Windowsならアイコン、ツールバー、プルダウンメニュー、チェックボックスなどがGUIを構成している要素です。
それに対しLinuxは、基本的にコマンド入力のCUI(Character User Interface)を基本としています。
よって、キーボード入力によるコマンド操作が必須になります。
CUIとは?
「CUI(Character User Interface)」とは、キーボードのみでコマンド(command:命令)を入力し、その結果を文字で受け取るスタイルのことです。見た目は、真っ黒な画面に文字がズラーっと並んでいるシンプルな見た目です。
GUIのようなリッチな見た目ではありませんが、PC負荷が少なく、軽快に動作することが利点です。またコマンド操作に慣れると、マウス操作よりも早く、効率的に作業することができます。ちなみに、LinuxではCUIとGUIを自由に切り替えることができます。
2.導入コスト
Linuxは、オープンソースライセンスが原則であり、無料で利用できます。
Windowsは、有償でライセンスごとにコストがかかります。
Macは、「OS X」以降は無償になっていますが、インストールできるデバイスに限界があります。
3.サポートの有無
Linuxは、無料なだけあり、サポートを受けられません。よって、不明な点や問題が起きた際は、自分でインターネット等で検索する必要があります。
Windows/Macは、メーカーによる電話での操作方法のサポートや、故障時の保証等、サポートが充実しており、いざという時も安心です。
Linuxのメリット・デメリット
以下参照:https://hnavi.co.jp/knowledge/blog/linux-merit/
メリット | デメリット |
導入コストがかからない | トラブルがあった時は自己解決する必要がある |
低スペックのデバイスでも使える | 他OSで使えるソフトウェアが使えない |
ディストリビューションが豊富 | 周辺機器が正常に動かないこともある |
Linuxのメリット
導入コストがかからない
Linuxは無料で使えるOSです。コストがかからないため、個人用PCはもちろん開発用PCやサーバ用PCなどさまざまなシチュエーションで活用できます。特に、大量のサーバ用PCを必要とするITの現場では、無料で使えるLinuxが重宝されます。
低スペックのデバイスでも使える
Linuxは、必要最低限の機能だけを備えた軽量OSで、動きが非常に軽快という利点があります。古いPCや低スペックPCでも、スムーズに稼働するでしょう。
ディストリビューションが豊富
Linuxには、多くの「ディストリビューション」があります。ディストリビューションとは、さまざまな団体や企業がLinuxをベースに開発・再配布している亜種のOSのようなものです。これらの多くは、無料で再配布されているため、より自身や自社のニーズに合ったOSを選べるのが特徴です。
Linuxのデメリット
トラブルがあった時は自己解決する必要がある
Linuxには公式サポートがありません。したがって、問題が発生した時のトラブルシューティングは自分で行う必要があります。ですが、Linuxは世界的にユーザー数が多いので、問題が発生した際は、インターネット検索することで解決できるでしょう。
他OSで使えるソフトウェアが使えない
Microsoft OfficeやAdobeシリーズなど、WindowsまたはMac OSで使うことが前提となっているソフトウェアは基本的に使えません。
周辺機器が正常に動かないこともある
USBメモリなど、周辺機器の種類によっては正常に作動しないことがあります。その都度、Linux専用のフォーマットへ変更する作業が発生します。
Linuxはこんな人におすすめ!
普段WindowsやMacを使用している人にとって、Linuxは身近な存在ではありません。では、実際にどのような人におすすめなのでしょうか?以下にまとめてみたので、参考にしてみてください。
- OSの開発がしたい人
- サーバー、ネットワーク、セキュリティなどの業務を行うインフラエンジニアになりたい人
- 家電やロボットなどに搭載するシステム(組み込みシステム)の開発エンジニアになりたい人
Linuxに関する資格について
エンジニアとしてのLinuxのスキルを向上させたり、インフラエンジニアとしてキャリアを築いていきたい方には、Linuxに関する資格取得がおすすめです。
Linuxに関する資格で有名なものに、「LPIC」と「LinuC」という2つの資格があります。両者ともLinux技術者としての知識、技術力を認定するIT資格になります。
LinuC101の資格を取得された「さるぼぼ」さんの記事も参考になりますので、ご紹介します!
LPIC(エルピック)とは?
カナダにあるLinux技術者認定機関「LPI」の日本支部で運営されており、正式名称は「Linux技術者認定試験(Linux Professional Institute Certification)」です。Linuxの技術力を証明する世界標準のIT資格になります。 ↓以下参照 https://udemy.benesse.co.jp/development/qualification/linux-qualification.html
レベル | LPIC-Lv1 | LPIC-Lv2 | LPIC-Lv3 |
対象試験 | 101試験・102試験 | 201試験・202試験 | 300試験・303試験・304試験 |
試験時間 | 各90分 | 各90分 | 各90分 |
出題数 | 各60問 | 各60問 | 各60問 |
出題形式 | 選択式及び記述式 | 選択式及び記述式 | 選択式及び記述式 |
合格ライン | 65%~75%程度 | 65%~75%程度 | 65%~75%程度 |
LPIC試験は、3つのレベルに分かれており、数字が上がるにつれて難易度が高くなります。未経験の方はLPIC-Lv1資格取得を目指しましょう。
Lv1とLv2試験は、101と102試験両方に合格する必要があります。Lv3試験は、「混在環境」「セキュリティ」「仮想化とハイアベイラビリティ」について高度な知識を持つエンジニアを対象としています。LPIC-2認定に加えて、3つの区分のうち1つに合格することで、LPIC-3認定を取得できます。
LinuC(リナック)とは?
LinuCとは、Linuxの認定試験を実施している「LPI-Japan」が2018年に独自に作ったテストです。
正式名称を「Linux技術者認定試験 LinuC(リナック)」といいます。https://linuc.org/about/01.html
Linuxよりも新しく、日本国内向けの資格という特長があります。最初は、従来のLinux試験だったLPICの形を踏襲していましたが、 2020年4月1日から出題範囲を大幅に改定し、仮想化・クラウドなど今のシステム開発に求められる内容であることが特徴の試験となっています。
レベル | LinuC-Lv1 | LinuC-Lv2 | LinuC-Lv3 |
対象試験 | 101試験・102試験 | 201試験・202試験 | 300試験・303試験・304試験 |
試験時間 | 各90分 | 各90分 | 各90分 |
出題数 | 各60問 | 各60問 | 各60問 |
出題形式 | 選択式及び記述式 | 選択式及び記述式 | 選択式及び記述式 |
合格ライン | 65% | 65% | 65% |
LPICとLinuCは、両者ほぼ同じ内容で難易度にも違いはないため、どちらを取得しても特に問題はありません。ただし、LPICの日本の公式サイトは、世界共通のサイトの一部を日本語化したものなので、少しわかりづらい点があります。
一方のLinuCは日本向けの資格ということで、公式サイトも完全に日本語で、学習用のテキストや動画なども全て日本語なので、未経験の方にとっては、LinuCの方がとっつきやすいと言えるでしょう。
まとめ
今回は、Linuxとは何か?また、Linuxのメリット・デメリットや資格について解説させていただきました。WindowsやMacを使用されている方でも、仮想環境上でLinuxを動作させることも可能なので、興味のある方は調べてみてください。
また、LPICやLinuCは、ITエンジニアを目指しているものの、未経験でまだ実績のない方にとっては、客観的にスキルを証明することができるので、これらの資格を取得することで、転職やキャリアアップにつながると思います。この記事で少しでもみなさんの助けになれば幸いです。