【受験方法から解説!!】プログラム実務未経験者がJava Silver SE11を取得して感じたこと

今回はプログラム初心者でプログラミング実務未経験の筆者がプログラム言語Javaの資格JavaSilver(Java SE 11 Programmer I)を受験した体験記と資格取得の感想的なことを記事にしました。これから資格取得を目指す方の参考になれば幸いです。記事の目次は以下の通りです。

【JavaSE認定資格 Java Silverとは?】

Java Silverはオラクルが実施しているJava SE認定資格です(SEはStandard Editionの略)。Java SE認定資格では『Bronze』、『Silver』、『Gold』と段階的に3つのレベルが設けられています。オラクルのホームページによると、それぞれのレベルは次のように位置付けられています。

金銀銅のトロフィーが表彰台に並んだ写真

(参考:オラクル|Java SE 11 認定資格


『Bronze SE』

言語未経験者向けの入門資格で Java 言語を使用したオブジェクト指向プログラミングの基本的な知識を有すること を評価することを目的としています。

オラクル Java SE 11 認定資格 より


『Silver SE』

Javaアプリケーション開発に必要とされる基本的なプログラミング知識を有し、上級者の指導のもとで開発作業を行うことができる開発初心者向け資格です。日常的なプログラミング・スキルだけでなく、さまざまなプロジェクトで発生する状況への対応能力も評価することを目的としています。

オラクル Java SE 11 認定資格 より


『Gold SE』

設計者の意図を正しく理解して独力で機能実装が行える中上級者向け資格です。Javaアプリケーション開発に必要とされる汎用的なプログラミング知識を有し、設計者の意図を正しく理解して独力で機能実装が行える能力評価することを目的としています。

オラクル Java SE 11 認定資格 より


以上3つのレベルの中でGoldだけは受験資格としてSilverを取得していることが条件になりますが、SilverはBronzeの資格取得無しで受験することが可能です。

筆者はBronzeの資格をスキップしてSilverを受験しました。Silverの受験にBronze取得が必要ないのと、Bronzeの資格は持っていても技術の評価対象にならないと言われていることが多いためです。

【Java Silverを取得するメリット】

前述した通り、Java Silverは上級者の指導を受けながら開発作業ができ、プロジェクトで発生する問題への対応能力を持っていることの証明になります。したがって、履歴書などに資格取得を記載すれば、”開発スキルをアピール”することができます。

昨今は特に、実務未経験者がプログラミング業務の案件に参画するための条件がとても厳しくなっているため、Javaプログラマを目指す実務未経験者の方は絶対に取っておきたい資格の一つと言えるでしょう。

【試験内容と試験対策】

試験内容

試験形式はCBT方式(PCを使用した試験で回答を選択するもの)で問題数は80問、合格ラインは正答率63%です。制限時間は180分と長めです。

試験出題範囲については、ここでは詳しくは述べませんが、Java開発環境や文字列操作、If文、繰り返し文、配列、クラス、継承、ラムダ式などの他にJavaSE11から新たに加わったモジュールシステムなどとても広いです。オラクルのWebサイトや後述する試験対策問題集に範囲が詳細記載されています。

(参考:オラクル|Java SE 11 Programmer I (1Z0-815-JPN) 試験

試験対策

筆者は試験対策に3ヶ月かけました。対策にはたくさんの先輩エンジニア方がネット上のJava Silverの記事で取り上げているように、筆者も黒本(徹底攻略Java SE 11 Silver問題集)紫本(オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Silver SE11)の問題集を使用しました。

黒本、紫本は試験の出題範囲の項目ごとに章が設けられ、問題演習とその解説が載っています。全ての出題範囲の章が終わると模擬試験が2回分設けられています。筆者は黒本から取り掛かりましたが、プログラミング初心者のため、”最初は問題の解説すら理解することができませんでした”。

問題のほとんどは問題用ソースコードがあり、どこが間違っているかやソースコードを実行するとどうなるかが選択肢で問われます。例えば文字列の項目の章であっても文字列についてわかるだけでは解けず、ある程度基礎全体が理解できていないと解けません。そこで、最初はYoutubeなどでJavaの基礎中の基礎を勉強するところから始め、2週間くらいかけて基礎を学びました。黒本での対策を再開すると、解説を読みながらやっと問題が理解できるレベルで、各章の問題を解けるようになるまで全章を3周しました。期間にして2ヶ月程でした。

そしてようやく模擬試験に取り掛かりますが、模擬試験1回目の正答率は50%程度でした。今まで勉強してきたのはなんだったのかと、自信を失いましたが、繰り返し問題を解き、模擬試験3回目では”80%以上”の正答率を出すことができました。紫本は模擬試験のみ3回解き、同じように”正答率80%以上”取れる状態にし、試験に臨みました。

試験対策では問題集を解くだけでなく、疑問に思ったり理解が浅い項目に関しては、”プログラムをいろんなパターンで書いて実行してみる”ということをやりました。どういうパターンだとプログラムが正常に動くのか、またはエラーが起こるのか、などを注意しながらプログラムを書いて実行すると知識の定着が格段に上がりました。

【試験申し込みから試験当日の流れ】

試験申し込み

試験申し込みなどはネットで行います。試験の手続きは結構段階を踏まないといけません。試験の申し込みはピアソンVUEのWebサイトから行い、試験結果を見れるようにするためにオラクルアカウントを取得し、CertViewにログインする必要があります。受験申し込み手続きについては紫本に詳しく記載されています。

試験当日

①試験会場での受付と試験開始まで

試験会場に行くと、手続きと身分証2種類(運転免許証、クレジットカード等)の提出が求められます。本人確認後に顔写真を撮影します。この時の顔写真は試験結果に表示されます。受験料が2万6千円と高額なため結構な覚悟で望んできているはずですから、大体の方は緊張して強張った表情になっていると思います。
持ち物をロッカーに預けたらすぐにPCが置いてあるデスクへ案内されて試験が開始されます。A4サイズくらいのホワイトボードと油性ペンが渡され、これをメモに使うことができます。油性なので消すことはできず、ホワイトボードに書けなくなった場合は試験監督へ申告すれば新しい物を渡されます。私はほとんどホワイトボードを使わず、わからない問題の番号をメモするくらいでした。

②実際の試験問題の難易度

基本的に黒本、紫本を理解していれば解ける問題ばかり”でした。黒本だけで十分と言う方も多いですが、紫本にしか載ってなかった問題もあった気もします。紫本も対策しておけば、より高得点を取れるといったところでしょうか。ただし、イレギュラーなパターンの問題もあって、試験の最初の10問の内、全く解いたことのない問題が3問くらい出てきたので焦りました。問題文や選択肢に見たことのない単語が含まれているものもありました。筆者はこの3問で試験前半は心理的にかなり揺さぶられましたが、試験問題を進めていくとほとんど解いたことのあるパターンの問題ばかりで徐々にペースを戻せていけました。また、取り乱しても一呼吸置いて、”問題を読み間違えたりしないように注意する”ことが大事です。

③問題の見直し

試験は問題ごとに画面遷移しながら進めていくシステムですが、それぞれの問題ページにチェックボックスが設けられているため、”チェックを入れておけば一通り問題を解いたあとですぐにその問題に戻ることができます”

④試験結果

試験は180分ですが、回答が終わっていれば途中で終了することができます。私は試験時間180分の内、問題見直し含めると170分くらい使いました。回答終了後すぐに試験結果が画面に表示されます。祈るような気持ちで結果判定のボタンをクリックしたことを覚えてます。結果は”93%の正答率で合格”でした。すぐに緊張から解放されたのでその場で結果が確認できるのはとてもありがたいです。

⑤試験終了後

試験終了後に受付で試験結果の表を印刷してもらえます。また、試験終了後数十分後にオラクルからメールが届き、CertViewで試験結果を確認できます。数日後にCertViewで資格証明書をダウンロードできるようになります(筆者は2日後でした)。

【資格を取得して感じたこと】

機嫌よくパソコン作業をするひげのある男性の写真

私は資格取得後すぐにポートフォリオの制作に取り組みましたが、その時実感したのは、”Javaのソースコードを読めるようになっていたこと”でした。読めるようになっているのは当たり前かもしれませんが、資格取得した直後のその時は、問題を解いているだけで実際に誰かが書いたソースコードが読めるようになるのか不安でした。実際にポートフォリオの参考になるソースコードをgithubで探して読んでいてもほとんど抵抗なく頭に入ってくるので驚きました。試験対策は問題のソースコードを読んで、何が問われているのか理解することが重要だったので、試験対策を通してソースコードを読んで理解する力が鍛えられたのかもしれません。

もう一つ気づいたことは、”Javaの機能の引き出しがすぐに出てくるようになったこと”です。ポートフォリオではECサイトのシステムを作りましたが、Javaの部分のソースコードはほとんどコピペせずに自分で考えて作ることが出来ました。実装する機能によって何を使うかが予想がつくようになっていたので、ソースコードを書いていてとても楽しく感じました。

【おわりに】

Java Silverはプログラム初心者には少しハードルが高く、時間もかかると思います。また、覚えることが多くて、一つ覚えては一つ忘れ、また覚えての繰り返しになるので、自分がちゃんと進歩しているのか不安になり、モチベーションを維持することにも苦労するかもしれません。
しかし、それらの苦労以上に資格取得によるメリットは大きいと思います。資格そのものが技術の証明になるだけでなく、資格対策の勉強を通して力がついたことが実感できたので、プログラム初心者の方はプログラミング力がつけることを意識して資格取得に臨むと、モチベーションが維持しやすいかもしれません。

作者情報

猫の写真を撮ることと猫アクセサリーを作ることが好きです。プログラマを目指してます。